「スモークサーモンのおすすめの食べ方は?」という質問をいただくことが多々あります。 “スモークサーモンのレシピ”で検索すると、数多くのレシピがインターネット上に溢れていますが、そのまま食べた方が良いのか、料理の材料として使った方が良いのか、悩むところですよね。王子サーモンは創業から50年が経ちますが、その全てをスモークサーモンの開発・製造に費やしました。日本におけるスモークサーモンのトップブランドとして、オススメの食べ方をいくつかご紹介させていただきます。実は、サーモンの魚種によってオススメの食べ方が変わってくるので、詳しく説明していきたいと思います。
スモークサーモンはそのままの状態で食べた時により美味しくなるように開発・試食・改善が繰り返されています。燻煙の香りが立ち、サーモンの旨味も直接感じられる食べ方です。特に、王子サーモンの紅鮭スモークは、天然の素材を生かすために塩と砂糖のみで調味しているため、よりサーモン本来の味をお楽しみいただけます。
サーモンの種類の中でも、フィヨルドサーモン(サーモントラウト)、アトランティックサーモンやキングサーモンは、非常に脂のノリが良く、1口目で感じる美味しさが格別です。焼肉で言う、カルビのような存在です。その脂の美味しさゆえにたくさん食べたくなってしまうのですが、3口目、4口目をそのままの状態で食べていくと、その脂がくどく感じる方もいらっしゃいます。そのタイミングで、オリーブオイルを少量かけることをオススメします。サーモンに合うオリーブオイルは、色で見分けることが出来ます。一般的に、オイルの色がグリーンに近いと辛く、イエローに近いとマイルドになります。フィヨルドサーモン(サーモントラウト)、アトランティックサーモンやキングサーモンの3種に限って言うと、グリーンのオリーブオイルがオススメです。特に、若いオリーブを収穫した、辛みの強い製品がよく合います。グリーンのオリーブオイルは、オリーブの爽やかな風味が強く、3種のスモークサーモンと合えると、非常にさっぱりとした印象に変わります。また、紅鮭、時鮭や秋鮭などは、イエローのオリーブオイルがオススメです。こちらの3種は元々が繊細な素材なので、あまり香りの強いオリーブオイルは使わず、イエロー系のマイルドな味わいのオリーブオイルで調整してください。スモークサーモンを口に入れたときに広がる燻製の香りから、ふわっと鼻に抜けるオリーブの香りへの変化をお楽しみいただけます。
オリーブオイルの保存は、光を避け、涼しい場所が最適です。ただし、冷蔵庫ではなく常温での保管が品質の劣化を防ぎます。オリーブオイルは温度が5℃を下回ると、白い凝固が始まり、香りが飛ぶなどの影響が出ますのでご注意ください。
バルサミコ酢は、ぶどうの果実酢です。スモークサーモンとワインが合うように、スモークサーモンとバルサミコ酢は非常に相性の良い組み合わせになります。一般的にバルサミコ酢は赤ぶどうのバルサミコ酢が流通しているのですが、ワインと同様に白ぶどうのバルサミコ酢が存在します。面白いことに、魚が白ワインに合うように、スモークサーモンも白バルサミコ酢と良く合います。なかなか入手が難しい場合、赤バルサミコ酢でも十分に合いますのでご安心ください(王子サーモン銀座店では、イタリア本土でサーモン用にセレクトされたバルサミコ酢が常時販売されております)。オススメはバルサミコ酢とオリーブオイルを1:2に配分したドレッシングでのマリネです。バルサミコ酢は酸味と共に優しい香りと甘みがあり、この香りと甘さがスモークサーモンを引き立てる要因です。このドレッシングは、万能のヘルシーなドレッシングなので、サラダやマリネなど他の料理などにも是非お試しください。
スモークサーモンは果物との相性が非常に良く、特にオススメしたいのがオレンジです。あまり甘すぎず、ほどよい酸味があるオレンジが最適です。まず、スモークサーモンをお皿に並べて、ディルやピンクペッパーなどで彩りを加えます。オレンジの果肉を小さくブロックにして散らしても綺麗になります。最後に、サイドにカットしたオレンジを添えて、簡単なカルパッチョの完成です。直前にオリーブオイルをかけて、カットしたオレンジを絞ると、フレッシュな果汁の香りが口に広がります。また、スモークサーモンといえばレモンを想像する方が多いのですが、レモンは酸味が非常に強いためアトランティックサーモンやキングサーモンなどの脂の多い種類と合わせてください。オレンジとレモンを掛け合わせたメイヤーレモンという品種は、どのサーモンの種類にも合うのでオススメです。
オリーブオイル、バルサミコ酢や果汁とのマリネをお楽しみいただく際に、ブラックペッパーを少量かけることで印象がガラッと変わります。あまりかけすぎず、粗引きのブラックペッパー数粒でも結構です。程よいアクセントが、ビール、ハイボールやチューハイと共にお食事される際にオススメです。
オリーブオイル、バルサミコ酢や果汁とのマリネは、野菜と合わせることで簡単なサラダにもなります。レタスはもちろん、薄くスライスした玉ねぎ、アボガド、ケーパースなど、お好みの野菜と合わせてください。オレンジの果肉や、薄くスライスした青リンゴなどの果物を加えても特別感のあるサラダとなります。オリーブオイルやバルサミコ酢がご自宅にない場合は、市販のドレッシングでも問題ありません。フィヨルドサーモン(サーモントラウト)、アトランティックサーモンやキングサーモンは洋風のドレッシング、紅鮭、時鮭や秋鮭は和風のドレッシングに良く合います。
スモークサーモンのサラダやサンドイッチなどにはクリームチーズもオススメです。サラダの場合は小さいブロック状にカットして散らばし、サンドイッチの場合はパンに直接均等に塗ります。また、洋風の巻き寿司や恵方巻きとして、スモークサーモンをアボガドとクリームチーズと一緒にロールしても美味しくなります。同様に、スモークサーモンのスライスに直接クリームチーズを塗り、そのままロールすると、ラーメンの具材の“鳴門巻き”のようにオレンジと白の渦ができます。お皿に並べて、ディルなどで飾りつけすると可愛い一品になります。クリームチーズは全てのサーモンに合いますが、紅鮭やフィヨルドサーモン(サーモントラウト)はとりわけ鮮やかな身色のため、クリームチーズの白とのコントラストがはっきりと出て食卓がより明るくなります。
パスタはクリーム系との相性が一番良いです。野菜は、ほうれん草が最もオススメですが、ブロッコリーなどにも合います。その他にも、バジル系やトマト系との相性も非常に良いです。ただし、全てのスモークサーモンのパスタに共通して言えることは、スモークサーモン入れるタイミングです。スモークサーモンをパスタと共に炒める際に時間をかけすぎると、焦げ付き、硬くなってしまいます。スモークサーモンは薄くスライスされていることもあり、短時間でも十分に火が通ります。あらかじめ一口大にカットしてから炒めると食べやすくなります。スモークサーモンはどの魚種もパスタの具材として適しています。サーモンの中でも紅鮭は、その名の通り身色がサーモンの中で最も赤く、火を入れてもその色味を残します。そのため、料理の彩りという点から見ると、火を通す料理全般に紅鮭スモークが最もオススメです。
スモークサーモンのサンドイッチやベーグルは、お好みの野菜とクリームチーズをサンドすることが最もシンプルで美味しい食べ方です。サンドイッチやベーグルの場合、フィヨルドサーモンとアトランティックサーモンがオススメです。脂のノリが良いため、パンと共に口に入れた際のバランスがより良いです。クリームチーズの他には、粒マスタードもオススメです。また、マヨネーズに少しワサビを入れて作るソースはご自宅で簡単に出来るので、是非サンドイッチでお試しください。